シボ加工法による金型材の
エッチング特性について
機械部金属科 吉 浦 洋 之
〃 清 高 稔 勝
凹の模様にする必要がある。このためには,写真製 版技法を用いたパターン付けにより,金型をエッチ
ング薬液にて腐食し目的の図柄とする。
今回はフイルムによる直接法のパターン付けによ って各種金型材料の腐食特性を調査,研究したので
報告する。
ま頑 はじめに
日常生活の中で使用されているカバン,ベルト,
ハンドバック及び自動車の内外装部品から玩具やス
ポ}ツ部品の表面に皮革模様,幾何模様,絵画など
の図柄模様等がつけられている。これらの模様付け
には,機械による加工法,エッチングによる腐食法
が考えられるが現在主流をなしているのが金型への
エッチングによる食刻方法である。しかしこの方法
についても比較的古い技術でありながら文献は非常 に少ない。
最近では,このエッチング技法によるI C,LSI 等
の電子部品加工や金属版のネーム加工,その他金属
薄板の微細加工等にも化学的エッチング技法によっ
て加工されている。
特に皮革模様,木目模様等が付いたプラスチック
製品では,美観による商品価値の向上,製品の高級
感等,付加価値を上げるため多くの模様が用いられ
ている。
この様な商品に模様を付けるには,金型を凸又は
2.適性条件の要因と選定
シボ加工法における適性条件の選定には,図柄の
作成が最も重要であり,仕上り条件を考慮してフイ
ルムを作成する必要がある。このため,感光膜の選 定,露光の照度及び時間の設定及び前処理による完
全脱脂によって条件を整える必要がある。また,金 型材として一般的に用いられるSKS,SKD等を使
用して,腐食液の温度,濃度及び浸漬時間を決定し 腐食条件に影響を及ぼすと考えられる諸条件を選定
する必要がある。更に使用される金型材間でも大き
な差を生じるため,所望する深さを決定するための
適性条件と選定について図1に示す。
図−1 シボ加工法の最適条件
3.実験方法
(1)供試材の選定
各種供試材の処理方法及び化学分析。硬さについ
て表1に示す。金型材として一般的に用いられる
SKS,SKDの素材と熱処理を施した材料について比
較した。また,FC,SUS304,SS41を金型材とし
て用いた場合の諸特性についても調査した。Cuは I C基板のメッキとして用いられているため,他の供
試材との比較検討するため使用した。なお,金型面 の仕上げ精度によるエッチングの影響についても調
査した。
表−1各種供試材の処理方法
S s
FC Cu
・ 1.38
素 素
C, 3.20 0.88 純
Mn o.78 Si , 1.80
Cr , 0.72 11.8 に に Mn,0.42
W, 0.46 】Mo,0.87 同 同 Ni , 9.00 銅
分 Ⅴ, 0・21 じ じ
処 素
素
7800C 8600C
素
素
理 炉冷 炉冷 材
の 8300C l O200C の の
素
の
d=
く}、 油冷 ガス冷 as Cas t ま ま ま
ま 1750C 1750C ま ≡ ま ま
空冷 空冷
31 85 80 42 25 22 14
材
(2)シボ加工方法
フイルム法におけるシボ加工のフローチャートに ついて図2に示す。被加工物の上に感光膜を貼付し, 予め準備しておいたフイルム原版を密着貼付した後 紫外線の発生する蛍光灯を用いて露光する。更に不
用部分をビニール系のテープでマスキングしたの
ち,塩化第二鉄溶液+塩酸を添加してエッチング仕 上げを行う。仕上げには,アセトン系の溶剤を用い て耐塩酸膜を除去し,供試材より軟らかいワイヤー
ブラシを用いてエッチング部分を清浄にする。 (3)フイルムパターンの作成方法
実験用サンプル形状及び模様の形態について図3
に示す。サンプルは22×33mmのフイ′ ルム中に皮革
模様,水玉模様,太線,細線,極細線の異なった形
状を比較をするため,5種類のパターンとした。そ
の中で,太線と細線の2種類についてバラツキが少
なかったため,エッチング後比較の対象として測定
した。
フイルムパタ¶ ンの作成プブ法及び測定機器類につ いて表2に示す。模様はまず紙に手書き又は現物を
写しとり,コピー機にて透明フイルムに転写しパタ
冊 48 【
図−2 シボ加エのフローチャート(フィルム
法)
表−2 フイルムパターンの作成及びエッチン
グ
声畳
測定㌶一向
状 棟 (粗さ計)
皮模様(n.4:く2,5) 水玉模様(郎.7) 太 線( 0.4mm) 経 線((1.2mm〕 極細練(+0.1mm)
図㌦3 被加工物のフイルムパターン形状及び 寸法
腐食後の測定には,粗さ計を用いてエッチングの形
状を測定した0
手書き及び現物接写によって作成したパターンを 透明フイルムに転写後,感光性フイルムを用いてネ ガ及びポジの原版を作成する方法について表3に示
す。
出来上ったフイルムパターンを焼き付けたのち露 光する手順について表4に示す。予め金型温度300C
位に加熱し,その上に感光性フイルムを完全脱泡し
て貼付する。更に,60∼800Cの温水中に浸潰加熱し
て密着した上に先に作成したパターンのフイルムを
貼付して露光する。露光後は不用部分をナイロン等
のテープ類によってマスキングしエッチングする。 フイルムの現像条件について表5に示す。露光後
の感光膜は,2∼5%の炭酸ナトリウム水溶液を用
いて浸漬すると,フイルム暗部は露出されないため,
耐酸膜はできず溶剤によって洗浄除去される。これ
によって金型面に希望するパターンが形成される。
表3 パターンフイルム作成方法
手 順 2
【
3 4
方 法書模様の作成 n コピー機への転写 フイルムへの転写 j ネガ版の n
材 料 手書き又は 拡大,縮小,及び PPC用クリヤー 感光フィル 現物接写 模様の継ぎ合わせ シート(OHP用 への転写
(スクラッチ フイルム) イナガキ製
フイルム) (ブルーピ
フイルム)
表4 フイルムパターンの感光条件
表5 フイルムの現像条件
法 現像剤 液濃度 液温度 現像時間 ∃備 考 二条件 炭酸ナトリュ
ウム(無水)
2∼5% 30へノ400C 2へ5分 芦柔らかい布等で軽くこすり 下地のサンプル色が完全に でるまで落したのち水洗い
供試材のエッチング条件について表6に示す。エ ッチングには,40%の塩化第2鉄水溶液を用いた。
腐食温度は20口C,40。C,600Cの3段階に腐食時間は
20分,40分,60分の3段階にそれぞれ設定した。3×
3=9条件に8試材の計72実験試料とした。エッチ
ング終了後,供試材の仕上げ条件について表7に示
す。エッチング終了後直ちに水洗し,耐酸性膜をア セトンにより溶解除去する。レジストの除去後薄塩
鞍で洗浄し,最後に供試材より軟らかいワイヤーブ ラシを用いて腐食部分を清浄にして表面仕上げをす る。
フイルム法におけるパタ」ンの形成工程について 感光膜貼付からエッチング終了までを図4に示す。
被加工物の上に感光膜を貼付しその上にフイルムを 貼付して露光する場合,光源はフイルムに対して傾
斜した角度とならないよう注意が必要である。
表6 供試材のエッチング条件(8試材× 9条件=72実験試料)
食 液 腐食液量 腐 食 2鉄溶液 40∼50% 試料×10 、〉】二1
腐 食 時 間(分)
温 度(OC)
方法処理条件
表7 エッチング後供試材の仕上げ
l .耐酸膜付着(バーニング)
2■ エッチング初期
3.エッチング終了
4・エッチング終了(耐鞍張除去後)
一肌¶ #一 源
//♂\幣ご\、、
兄
r ‖k 光
現 ノ筑
5.仕上げ
Fr −毒 手を
図−5 シボ加工法によるエッチングのメカニ ズム
図−4 フイルム法によるパターン形成工程
(4)シボ加工法によるエッチングのメカニズム フイルム法によるシボ加工の腐食工程のメカニズ ムについて図5に示す。エッチング初期の段階では,
一一 50 一山
耐酸膜から金型へ垂直に腐食されるがエッチング終
るため,耐酸膜の形状よりやや大きめとなる。更に
耐酸膜を除去した時点では,形状がわん曲する。し かし,仕上面になるとコーナーは,丸みをおびエッ チングの形状は更に丸くなる。
各種金型材料の腐食特性を調査するため,図6に
示しエッチングによる形状分析をおこなった。測定
項目として,①腐食の深さ(金型表面からU型エッ
チング底面までの距離)②腐食の傾き(金型表面か らエッチングの底面Cに斜線を下ろした内角t an
β )③腐食の底面荒れ(エッチング部分の底面dの波 型高さ)の3点について粗さ計で測定した。
表面 A B
∬
同一7 各種材料のエッチング断面形状(腐食 温度20CC,腐食時間60分)
h:腐食の妄架さ
(L面より底面までの深さ) d:腐食の底面荒れ
(底面におけるⅤ型波形内の荒れ) β :腐食の傾き
(上面Aから垂線を下し、Ⅴ型波形の底面Cに 斜線を下した内角t anβ )
図−6 エッチングによる形状分析
4.実験結果及び考察 4.1 予備実験
予備実験用供試材8種について同一条件で感光膜
の貼付,露光,現像,エッチングを行い粗さ計にて 図7に示すように各種材料のエッチング断面形状に
ついて代表的な例を示す。腐食温度200Cの腐食時間 60分は9条件中最も安定した波形をしており,比較
的差は少ない。
腐食深さからSUS304とCuの比較では,Cuの
方が2倍の腐食深さとなっており,溶解度が高いた
めと思われる。SKS3,SKDl l の素材とSKS3I i ,
SKDl l Hの熱処韓を施した材料とでは,熱処理を
施した方が20∼30%は腐食の深さが浅い。このこと
は顕微鏡組織からも判断できるように炭化物の発生 によって硬い組織の部分は腐食が遅いと思われる。
腐食の傾きからは比較的差が少ないもののSUS
304では,ややだれの状態が発生している。腐食の底 面荒れの状態では,特にFCが激しく底面荒れをお
こしている。
写真1には,供試材に用いた各種金型材料の顕微
鏡組織を示す。SKS3,SKDl l の素材のままに対し
て熱処理を施した材料では,炭化物が析出している。
FC材は,FC20相当品のA塑片状黒鉛である。また,
SUS 304材は通常の組織と若干異なっている。SS
41材及びCu材は,組織も小さく一定している。こ
のため,腐食の深さ,腐食の傾き,腐食の荒れにも 組織が影響しているものと思われる。
シボ加工法による各種材料の測定値について表8
に示し,各種供試材の液温及び浸漬時間によるエッ
チング探さについて図8に示す。
液温20〇Cにおける各種材料の腐食深さは,浸漬時 間の長い程腐食が早く,液温の高い程腐食畳も多い
傾向にある。更に,浸潰時間が長くなるにつれて
20∼30%増しに腐食量が増加している。しかし9 40
SKS 3(素材のまま)×400 SKD l l (素材のまま)×400
SKS 3−H(熱処理後)× 400 SKDl l (熱処理後)× 400
FC (as Cas t )×200 SUS 304(素材のまま)× 200
SS 41(素材のまま)×200 Cu(素材のまま)× 400
写真1各種材料の顕微鏡組織写真 (腐食液:SUS王水、Cu 塩化鉄溶液、 分及び60分の液温ではその比率が200Cに比較して羞
が少ない。SUS304とCuの比較では,液温が20OC,
40〇C,60CCに対する浸漬時間60分は,2.2倍,3.3倍,
3.5倍とそれぞれCuの腐食量が深く液温の高い程
w 52 −
他は3パーセントHNO3J ナイタール)
腐食深さが増す。また,SKS3,SKDl l 材の素材の
ままと焼き入れ焼き戻し処理を行ったSKS3 H,
SKDl l H材を比較してみると液温20OCでは,殆ど
エッチング深さ岬
済勝野
SKS SKD SKS SKl ) FC SUS SS
3 11 ニうI i l l † Ⅰ 3()▲ i 41
Cしl X
図8 各種材料の液温及び浸潰時間によるエッチング深さ
埋では,素材の80%であった。更に,処理温度600C
の浸漬時間60分処理では,素材の60%と熱処理を施
した材料の方が腐食畳も少ない。このことば,炭化
物の析出による影響と思われる。
各種供試材のエッチングによる腐食の傾きについ て図9に示す。
液温200Cにおける浸潰時間は各種供試材共5〟m
未満である。しかし,腐食時間20分では,40分,60
分より傾きがやや大きくなっている。液温40。Cでは, 熱処理を施したSKS3H,SKDl l H共素材のまま
より「だれ」が大きく,更に,FC,SUS304も傾き が大きくなっている。液温600Cでは熱処理を施した
敵駁野
腐食の傾き
SKS SKD
SKS SKl 〕 FC SU
S SS
Cu 言3 11 3、Hll−H 304 41
図−9 各種材料のエッチングによる腐食傾き
表8 シボ加工方による各種材料の測定値
SKD
要熱処理後
20 41 Cu 烹
t SKS3HSKDl l
太細
又間 (nC川mi r 曲別定項冒
F ㌻ エッチング探さ(〟汀1) 33 23 29 32 4.2 四 4.8 】20i28i27 重4・66・2皇3・6 26 5.4 28 已5・4 】17 3.4 巨9 皇2・6 23 ‡ 3・2 12 42 40 28 H 25 ∃20底部の荒巾(
腐食の傾き(t a
52 146 38 34 44 34 44
3.2
3.6
5
i エッチング深さ(
心ソナング深さ(〃m)58 54 54 43 37 39 48 47 53 51
8
4.2 56
10.2 エッチング深さ(
…
3・9
60
∈
40
13
4.1
60
材は他の材料に比較して荒れが最も大きい。このこ
とは,顕微鏡組織からA型の黒鉛が析出し,基地内
における素地の不均一性に起因とするものと思われ る。特に少ないのはCuであり,腐食の形状もきれい であり荒れが少ない。また,SS41材でも各温度,各
浸潰時間ともあまり差はなく比較的おだやかな腐食 形状となっている。
材料の傾きが大きく,浸漬時間が長くなるに従って
傾きも大きい傾向にある0顕微鏡組織から炭化物の
析出している硬い組織の部分は腐食が遅く,他の部
分との腐食速度の差によるものと思われる0 各種材料のエッチングによる底面腐食荒れについ
て図耕二示す0各種供試材共浸漬時間が長くなるほ
ど,また,液混が高くなる程腐食の底面が荒れる傾
向にあるが9FCを除いて差は少ない0しかし,FC
r r J ︵‖ l ′ l l
腐食の底面荒
Z
L
∵
り一
SS Cu X 41 S l − U S C F D H K
一
、ヽ、
1 ↓ l H S K S
つ
J D K i 1 S S K 3 S
図㌦10 各種材料のエッチングによる腐食荒れ(底面)
4.2 本実験
予備実験の結果を踏まえて同一方法により,8種
類の材料を使用した。各種材料ごとの太線,細線比
較によるエッチング特性について図1ト1,図11−2,
図11−3,図11−4に示す。
① s KS3材について:腐食の深さ,腐食の傾き,
腐食の底面荒れのいずれもバラツキはあるものの
太線の方が高い傾向にある。その中でも腐食の傾
きについて200Cでは,差が少ないものの400C,600C
と液温が上がるにつれてバラツキの巾も大きくな っている。
② s KDl l 材について:200Cにおける腐食の深さ
では,差が少ないものの温度が上がるにつれて深 さの幅も大きくなっている。腐食の傾きでは,400C
より600Cの方が下がる傾向にある。腐食の底面荒
れでは,400Cが200C及び600Cより低部の荒れが少
ないがバラツキは少ない。腐食の傾きでは,細線
の方が高く他は,太線の方が細線よりいずれも高
い傾向にある。
③ SKS3壬i 材について:素材のままに対して腐食
深さは20∼30%少ないが,400Cの40分だけが特に
バラツイている。腐食の傾きでは,極端にバラツ
キが大きくなっている。この現象は,炭化物の析
出によって硬度の高い部分と,他の素地との差に
よるものと思われる。また腐食の底面荒れでも同
様な原因によってバラツキが大きくなっている。
太線,細線の比較では,温度の高いほど太線の方
が高い傾向にある。
④ SKDl l H材について:腐食の深さ,低部の荒
れについてバラツキは少ない。しかし腐食の傾き
SKS−3〔7)腐食深さ SKr )−11の腐食深さ
≡+
ロー60〇c人
t トーーーーー60口C一紙
20 40 時間(分)
6し)
.1■ l 40 韓閲 し甘
Sl く1)−11レJ 底部力荒巾
6(〕
SKS−3シつ底部シ〕荒巾
∴■
二1.y【■
部
1う
J )
川
(〟畔l )
()
2r ) 40 時間(分)
60 40 6()
時間(分)
J い
SKS・二うの腐食のイ頃き Si くⅠ)一11J J 腐食レ′)傾き
20 40 60
時間(分)
① SKS−3材の腐食特性
20 40 時間(分)
6()
② SKD−11材の腐食特性
図11−1金型材料のエッチングによる太線、細線の比較
では,200Cの細線を除いて60分処理では高い値と なっている。太線,細線の比較では,他の材料と 同様に太線の方が高い。
⑤ FC材について:一般的にFC材は金型として
56
用いないが上記4点との比較の意味で測定した。
腐食の深さ,腐食の傾き,腐食の底面荒れのいず
れもバラツキが大きい。太線,細線の比較では,
SKS・3日の腐食深き SKl )−1川場腐食深さ
(〉−200C太 ●−−20ロC触
ムー40CC大 ▲ −40CC細
ロー600C一大
響卜一−・・−60〇C一紙
20 40 60 時間(分)
SKS−3Hの底部の荒巾
2n 40 時間(分)
60
SKD【11I I J 「)底部〃荒巾
20 4n 60
‖寺間(分)
2() 40
時間(分)
SKl }11直腐食宜傾き
6し)
SKD−11の腐食の傾き
迄
2n 40 60 時間(分)
20 40 60 時間(分)
③ SKS−3Hの腐食特性 ④ SKD−11H材の腐食特性
図11−2 金型材料のエッチングによる太線、細線の比較
る。しかし底面荒れでは,細線の方が高温になる ど高い値となっているがバラツキはすくない。し ほど逆に低くなっている。 かし200Cにおける腐食の傾きでは,バラツキは少 ⑥ SUS304材について:腐食の深さでは,一定の ないが40OC,60OCと高くなるにつれバラツキの巾
間隔で右上がりとなっており,温度の高くなるほ が大きくなっている。また,600C液温,60分の浸
Fじ20の腐食深さ
SUS−3()4け囁食探さ
0−200c人
◎ −−20eC−細 △−40CC太 ▲ −1しl し、サ ロー60DC大 診−60CC綿
き1三 ̄− ̄≠
20 40 6()
時間(分)
2() 40
時間(分)
6()
F〔ニー20c引責部J 〕荒巾 SUS−3り4u〕底部力荒巾
底
部
い
荒
勺≧
n
〃
こて__喜一1至
ー
J
20 40 6()
時間(分)
Fじ20の腐食の傾き
2() 40 6り
ヨ手間(分)
St J Sl 川4u)腐食J )傾き
食 30 の 傾 20
き
(t anβ )
10
0
20 40 60
時間(分)
⑤ FC材の腐食特性
20 40 時間(分)
⑥ SUS304材の腐食特性
60
図11−3 金型材料のエッチングによる太線、細線の比較
潰時間は細線の方が太線より高い情となってい いるが60分処理ではバラツキが少ない。腐食の傾
る0 きでもバラツキは少ない。腐食の底面荒れでは,
⑦SS41材について:腐食の深さでは,液温が高 バラツキが少ない。尚太線,細線の比較では,高 くなる程また,浸潰時間が長くなる程高くなって 温になるほど太線の方が全体的には高い傾向にあ
Cuの腐食深さ SS−41の腐食深さ
食
\ニ
リ==
引萄Ⅹ
60
20 40 60 時間(分)
20 40 時間(分)
60
Cuの荒巾 SS−41ぴ)底部J 〕荒巾
40 60 時間(分)
Cu腐食の傾き 2r )
20 40 6r ) 時間(分)
SS−41腐食の傾き
4
3
︵ソ︺
腐
食
の
傾
き
+寡i 小+÷
十
a
∩‖
U
l
︵〃︶
◆
し
40 6〔)
時間(分) 2(I
20 40 60 時間(分)
⑦ SS41材の腐食特性 ⑧ Cu材の腐食特性
図1ト4 金型材料のエッチングによる太線、細線の比較
る。しかし低郡の荒れと腐食の傾きでは,細線の 40∼600Cになると200〃m近くとなる。腐食の傾
方が高くなっている。 きでは,バラツキが殆んどなくシャープな形状と
⑧ Cu材について:腐食の深さでは,SUS304材 なっている0腐食による底面荒れでは,他の材料
に対して3∼4倍の腐食速度があり,特に に比較してバラツキが大きく高温になるにつれて
逆に下がる傾向となっている。尚,太線,細線の 比較では,いずれの条件でも太線の方が高い傾向
となっている。
4.3 実金型への各棟横付け
各模様のフイルムパターンを図12に示す。シボ加 工によって金型表面に模様付けした場合,その部品
単位ではさほど問題にならないが,各パーツを組立
一体の部品としたとき各パーツ間のシボ模様の色, つや,粗さ,手ざわりの感じがまったく同一模様と みなされるためには,フイルムパターンの継ぎ合わ
せは,慎重に目立たない様にすることが必要である。 また,使用される金型材質が均一な組織になって
いることであり,偏析や組織の方向性のないものを
選択することが必要である。
5.まとめ
(1)フイルムの使用条件について
感光性フイルムを用いて金型表面にシボ模様を食 刻するには,まず金型表面に付着している油脂,酸 化膜等を洗浄脱脂することが前処理として重要であ る。金型表面に感光性膜を貼付する場合の注意とし
て完全密着することが肝要であり,更にパターンフ
イルムを貼付する場合にも完全密着することが重要 である。また,露光時間と現像時間の関係によって 仕上り面に影響を及ぼすため,露光の照度に対する
時間の設定が肝要とおもわれる。
(2)金型表面粗さについて
金型表面仕上げの粗さがシボ加工面に影響を及ぼ すため粗さ表示の三角記号▽ ▽ ▽ ∼▽ ▽ ▽ ▽ に仕上 げる必要がある。特に▽▽の5∼10ノJ m仕上げでは
エッチング時に金型面へ液が侵入し,パターン面へ
影響を及ぼす。従って#280以上の糸田かいペーハーを 使用して研麿仕上げすることが大切である。 (3)金型材質の選定について
一般的に金型材として使用されているSKS 3,
SKDl l ,FC,SUS304,SS41材及びCuについて
も比較検討した結果,いづれも大差ないもののCu
については腐食速度が特に早くSUS304は遅い傾
向にある。しかし,SKS3,SKDl l 材の素材と熱処
理材とでは,熱処理を施した方が腐食速度が遅い傾
向にある。
(4)エッチング特性について
エッチングによるシボ加工によって金型の表面に 模様付けを行い,成型品の高品質価値を高めるか否
かはシボ加工の仕上り状態の良否にかかっているた め,エッチングの深さ,エッチングの傾き,腐食の 底面荒れの3点で検討した結果次のようなことがわ
かった。
H)エッチング深さについて
液温200Cでの各種材料は,浸漬時間の長い程腐食 が深く,また液温の高い程腐食畳も多い傾向にある。
材質的には,SUS304が低く,Cuが最も高い。SUS
304とCuを比較すると,液温が20OC,400C,60OCに
たいする浸潰時間60分は2.2倍,3.0倍,3.5倍とCu
の腐食量が多く,液温の高い程腐食量が増す。また, 金型材として用いられるSKS3,SKDl l の素材の
ままと焼入れ焼戻し処理を行ったSKS3H,SKD
皮革模様(大)
き得手き憲猿漑蔓宅
幾何嘆様
皮革模様(小)
水玉模様 木の葉模様
図−12 各種模様のフイルムパターン
1ユHを比較すると液温200Cは殆ど差がない。しかし
400Cの60分では80%,600Cの60分では,60%と,熱
処理を施した方が素材のままに対して腐食畳も少な
い。
(ロ)腐食の傾きについて
液温200Cにおける各種材料共,5〃m未満である
が液温400Cでは,熱処理を施したSKS3H,SKDl l
とも素材のままより荒れが大きく,FC,SUS304共
傾きが大きくなっている。更に液温60DCでも熱処理
を施した材料の傾きが大きく,浸漬時間の長い方が
傾きの大きい傾向にある。このことは,顕微鏡組織 から炭化物の析出している硬い組織の部分は腐食が 遅く,他の部分との腐食速度の差によるものと思わ
れる。
レ→ 腐食の底面荒れについて
各種材料とも浸潰時間の長くなるほど,腐食の底
面が荒れる傾向にあるが莞は少ない。しかしFC材
は他の材料に比較して荒れが最も大きい。このこと
は顕微鏡組織からA型黒鉛が析出し,基地内におけ
る素地の不均一一性に起因するものとおもわれる。 特にCuは高温の方が安定傾向にある。また,SS
41材でも各温度,各浸漬時間とも,あまり差はなく 比較的緩やかな腐食形状となっている。
H 線巾の羞について
線巾の大小によるエッチングの影響については, 温度が高くなるほど太線の方がエッチングの深さ, 傾き,低部の荒れ幅のいずれも高い傾向にある。し かしFC及びSUS304材では,細部の万が一部高い
傾向を示している。
(5)各模様のシボ付けについて
皮革模様,木目模様,幾何模様等日常生活で用い
られている模様付けでは,フイルムとフイルムをつ
なぎ合わせて金型の大きさまで拡大し,継ぎ目が目
立たないようにすることが肝要である。フイルムに
転写するまえに修正した後,フイルムとフイルムを
注意深く接合する必要がある。従って線と線,面と
面をつなぎ合わせて白又は黒インクでつなぎ目を修
正し,フイルムを拡大して目的の図柄とする。
エッチング終了後の仕上げ面を観察すると,原図
のまま感光膜に焼き付けたのちエッチング加工した 金型は,仕上り面が非常にきれいである。しかし原
図を拡大又は縮小し,フイルムへの転写を繰り返す
と線,面などの鋭さが失われ金型への仕上りに影響
を及ぼしている。実測では,原図からエッチング後
の仕上り巾を観察すると,約80∼90%も増加してい
るため,設計時の線巾を考慮に入れる必要がある。
従ってなるたけ少ない回数で原図からフイルム転
写することが望ましい。
6.おわりに
今回の実験では,パターンの作成及びエッチング
条件について調査,研究したが,今後は,シボ加工
した金型を用いてプラスチック製品を製造し,成型
用樹脂材料の種類,成型条件,成型方法等成型品の
仕上り状態について研究する所存である。